お六櫛 姫櫛 (ケース付き)
長野の木曽に300年以上も昔から伝わるお六櫛。
櫛の材料となるみねばりの木は、和名「オノオレカンバ」と呼ばれるとおり、斧が折れるほどに堅い木。
その堅い木の櫛幅に100本以上もの細い細い歯を作り出すことが出来る作り手。
その歯幅は、わずか0.5ミリもありません。
すぐ傍らで見ていても、目で追い切れないほどに細かい作業。
「目で見なくても、体が覚えている」と言います。
類まれな才能と熟練の技を持つ手によって、作られる櫛。
その素材の堅さとは裏腹に、仕上がりはなめらかで、梳かしたときの当りがとてもやわらかいのです。
かつて、髪を大切にしていた当時の女性たちの間では、憧れの一品だったと言われるお六櫛。
使うほどに色つやが増し、手に髪に馴染み、より使い心地が良くなっていきます。
手にするだけで、そのぬくもりに穏やかなひと時を感じる、長く暮らしに寄り添う道具。
 
サイズ 幅:6.2cm×高さ:4.9cm (一番長い部分を計測)
※ケースの柄はお選びいただけません。 ↑お六櫛は、静電気が起きにくいことでもよく知られてます。
その昔、ここ木曽 薮原の数ある櫛職人の中でも、「梳き櫛」に挑戦出来たのは、十指に数えられる程度だったのだそう。
多くの櫛職人は、「とかし櫛」を作る傍ら、この「梳き櫛」の技術の習得に励んだそうです。
この作り手さんは、その「梳き櫛」を挽くことが出来る数少ない職人の一人です。
その腕前は、わずか8.4cmの木幅に100本以上もの歯を挽き込んでしまうほど。
さらに、髪をやさしく梳かす、細くなめらかな歯を作り出すまでには、1000〜1300回以上にも渡る寸部乱れぬ手の動きが繰り返されます。
すべて、自作の道具たちのみを使って仕上げていきます。
作り手さんは言います。「いい道具が作れなきゃ、いい櫛は作れない」と。
数え切れないほどの道具たちに囲まれた小部屋に響く、心地良い一定のリズム。
その音からも熟練の確かな技を感じることが出来ます。

【素材の特性やご使用上の注意】
○すべて天然のミネバリを使って作られていますので、木目や肌合いは一つ一つ異なります。それぞれの風合いをお楽しみください。
○時々、椿油などを布にしみこませたものでお手入れしていただくと、色つやも増し、より使い心地も良くなってきます。
○櫛の歯に髪やホコリが溜まったときは、歯ブラシなどでお掃除してください。
○湯水で洗ったり、濡らした状態で放置すると、木肌の油分がとれ、歯が曲がったり、櫛通りが悪くなるなど、劣化の原因になりますので、お気をつけください。

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